多様な働き方ができる看護の有資格者。
ここでは病院以外で看護資格を活かせる働き方について、メリットやデメリットをまとめました。
訪問看護ステーションなどで訪問看護師として働く

一人で立ち回りたい看護師さんに人気なのが訪問看護師。
訪問看護師は訪問看護を利用している利用者さんの元に伺ってケアを行います。
朝に看護ステーションなどでミーティングをしてから担当先に向かいます。
そのまま帰宅する場合もあれば、看護計画書や報告書の作成のためにナースステーションに戻ることも。
移動には都市部では自転車や電動自転車、地方では車などが使われます。
- 夜勤がなく生活リズムが作りやすい
- 残業が少なく自分の時間が持てる
- 職場の人と関わる時間が少ない
- 外を移動することで気分転換になる
- 利用者さんとの人間関係が築け、やりがいがある
- 判断力・対応力が必要で責任が大きい
- 利用者さんの事情に合った対応が必要
- ご家族との人間関係が時にストレスとなる
研修期間を終えて一人で訪問するようになると、その場で他に頼れる人がいないため、適切な判断力が求められる責任の大きな仕事です。
その代わり、職場の人間関係に悩まされたくない看護師さんに向いています。
一方で、利用者さんのご自宅事情に合わせて柔軟に対応していくことも必要。
患者さんとの関係性が築けます。
わたくしごとになりますが、学生時代、末期がんの祖母を自宅で看取るまで訪問看護を利用していました。
その看護師さんが看護してくださった姿はいまだに覚えています。
美容クリニックで働く

いわゆる病院やクリニックなどの医療機関以外では美容クリニックが人気ですが、自由診療の美容クリニックならではのメリット・デメリットがあります。
- 夜勤がない
- 残業が少なめ
- 給与水準が高い
- 割引価格で施術できる
- 接客・マナーが身に着く
- 営業ノルマを課される場合がある
- 医療スキルが低下する恐れがある
- 土日祝日は休めないことが多い
- 接客業務がある
- 臨床経験の実績にならないことも
小規模のクリニックでは、受付、カウンセリングなどの業務も看護師さんが担当することが大半のため、接客やクレーム対応も生じます。
美容専門の医療器具を扱うため、働き始めは覚えることも多いでしょう。
最近では、臨床からの転職・復職だけでなく、新卒で採用しているところもあります。
保育施設・幼稚園看護師のお仕事

0歳時保育を受け入れている保育所は、看護師を配置することを義務付けている自治体もあります。
保育施設で働く看護師さんの役割は子どもたちの健康管理。
応急手当や体調を崩した子どもの看護、感染症予防への指導も仕事内容のひとつです。
- 夜勤がない
- 残業がほとんどない
- 土日祝日は休みであることが多い
- 子育て経験を生かせる
- 看護師より収入は低い
- 募集が非常に少ない
- 保護者への対応が時に大変
保育園・幼稚園の看護師さんは採血や点滴などの医療行為を行うことはまずありません。
また、1施設に1名程度の配置のため求人はそれほど多くありません。
保育士の資格はあってもなくても大丈夫。子どもに対する向き合い方、子育て経験が強みになります。
介護系・有料老人ホーム・産業看護師などで働く
メリット・デメリットは保育園や幼稚園と同様です。
介護施設や老人ホームでは夜勤があるケースもあり、応募の際に確認しておきたい点です。
産業看護師は企業の保健室で社員の健康相談や急病のケアを行います。
病院以外に幅広く医療・介護・福祉の求人を探したい方向けの求人サイトもあり、大手での取り扱いが少ない常勤のお仕事を探せます。
治験コーディネーター・臨床開発モニターとして働く
治験コーディネーター(CRC)や臨床開発モニターという仕事を聞いたことがありますか?
これらは新薬開発に関わるお仕事。
治験コーディネーターは治験業務として医師の補佐や製薬会社への対応を行い、臨床開発モニターは製薬会社側で治験のマネージメントを行います。
- 夜勤がない
- 最新の医療に触れられる
- 土日祝日は休み
- 医療行為を行えない(病院CRC以外)
- GCPや薬機法など一から学ぶ必要がある
- 残業はそこそこ多い
最近ではグローバル治験が増えていることから英語力が必要とされ、パソコンを使っての作業も多くあります。
がん、中枢神経系、再生医療、皮膚科など様々な領域がありますが、医療の知識を活かせるお仕事です。
臨床から離れる仕事は経験のブランクに注意
看護師さんの看護資格を活かせるお仕事はたくさんあります。
ただ、美容クリニックや治験コーディネーターは臨床経験として見られないケースも。
そうなると、いざ臨床に戻りたくなった時にお給料や待遇、再就職に不利になる可能性があります。
転職を考える際によく考えておきたい点です。
臨床を離れるかどうかは、訪問看護師や別の病院、クリニックで働いてみてからでも遅くないと思いますよ。