治験の体験談

治験で生活できる?実は高額とは言えない治験の収入

「高額バイト」とか「闇バイト」とか言われることもある治験ですが、実際はそんなことありません。
治験収入は本当に高額なのか、治験で生活できるのか、実際のところを解説します。

治験で生活するのは難しい理由1:受け取る金額

初めから申し上げると、治験の収入で生活するのは難しいと考えます。
それにはいくつか理由があるのですが、まずは治験で受け取る金額についてお話していきます。

治験で得られる収入とは

治験に参加すると、通常「治験協力費」や「負担軽減費」というお金が支払われます。
これは参加していただいた方の交通費の負担や時間的制約の負担を軽減することを目的とし、治験に参加した後に支払われます。

支払い方法は手渡し、銀行振り込みの場合があります。

治験協力費/負担軽減費の額

ではこの治験協力費や負担軽減費はいくらくらいなのでしょうか?
実は、この治験協力費/負担軽減費の金額はある程度相場が決まっています。

通院タイプの治験
 1回:7000円~1万円
入院タイプの治験
 1日:1万~2万円

治験の条件によっても金額は異なりますが、およそこの金額であることが多いです。

通院は週1回~月に1回ほどの頻度であることが多く、生活できる金額ではありません。

1ヶ月入院する治験に参加した場合30~60万円の収入となる可能性がありますが、また金額とは別の理由で生活していくには難しいハードルがあります。
(追ってご説明します。)

治験協力費/負担軽減費は高すぎてはいけない

治験協力費や負担軽減費の額はなぜ相場が決められているのでしょうか?
というのも、原則として治験協力費や負担軽減費が治験の誘因にならないことが治験実施のルールとして定められています。

つまり、治験協力費や負担軽減費が治験に参加する理由になってはいけないのです。
その金額設定として、現在は上記のような額面が多くの治験で採用されています。

そのため治験に参加して高額な費用を受け取るというドラマのようなことはありません。

治験で生活するのは難しい理由2:治験後の期間

2つめの理由として、治験に参加した後の期間の問題があります。

一度治験に参加した方は数ヶ月間他の治験に参加できません。
これは、過去に使用した治験薬が体に残っているためです。

治験では体の中に他の薬の影響がない状態で効果や安全性を調べます。
つまり過去の治験薬の成分がないか、影響がない状態まで減っていなければ次の治験に参加できません。

半減期(薬が体内で半分の濃度になる時間)が短い薬剤は比較的早く消失しますが、半減期が長い薬剤は、体内から治験薬が消えるまで時間がかかります。

4ヶ月~半年は次の治験に参加できないと考えた方がよいでしょう。

治験で生活するのは難しい理由3:長期の入院はハードルが高い

3つ目の理由として、長期入院を伴う治験の倍率の高さがあります。

高額なため希望者が多い

ある程度まとまった金額が得られ、食事を含め入院中の生活環境が提供される入院治験は人気があります。
(もちろん入院中の制約や制限はあります。)

そのような治験は応募者が多く、ものによっては倍率が10倍以上にもなる治験もあります。

条件に健康な体を求められることが多い

入院治験の多くは新薬の安全性を調べる目的の試験が多いです。
そのため、通常多くの入院治験で健康な成人が対象として選ばれます。
しかも対象は男性であることが多いです。

健康上に問題がないかどうかは事前の検査でしっかりと確認されます。
虫歯があってもNGとなることもあり、選ばれるのにもハードルが高いのです。

特定の病気の治療を目的として応募者を集める治験もありますが、毎回その治験に参加できるかというと無理があり、治験を生活の手段とするには難しいものがあります。

治験で生活するのは難しい理由4:生活困窮者は入れられない

「治験に参加しなきゃ生きていけない」という方は参加できません
これはすべての治験のルールとして厳しく定められています。

治験では「社会的弱者」を参加させてはいけないのです。
この「社会的弱者」とは、社会の中で弱い立場にある人のことを言います。

具体的には、生活保護を受けている方や、病院の職員(治験への参加を拒否することで不当な不利益を受けるおそれがある場合)、貧困者などです。

実際に「社会的弱者」に該当するかどうかは、治験が適性に行われているかどうかを判断する「治験審査委員会」や治験を依頼した製薬企業の判断により変わります。

しかしながら原則として、お金がなくて困っている生活のために治験の収入が必要というような方は治験に参加できません

治験で生活している人もいる

治験での収入額、次の参加までの期間、参加の条件を考えると、現実的には治験の収入で生活するのは難しいです。
ですが中には実際に高額となる長期の入院治験をはしごして生活している方もいます。

治験はバイトではない

治験は本来、患者さんや健康な方に「協力」してもらうものです。
そのため収入を目的として参加することは本来の姿ではありません。

ぜひ新薬や新しい技術開発への貢献という目で見ていただければと思います。

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医療関係の業界で転職しつつ働くこと9年以上。 医療・製薬系のお仕事や治験についての情報を発信しています。
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