IRB申請書類に請求書チェック、契約書の作成、ドクターやCRC、病院スタッフとのやりとり、依頼者からの急な変更、板挟み…。
臨床開発モニターなんてもう辞めたい!と思う方もおおいはず。
そんな時に考えるのが転職。そして留学もおすすめです。
そんなCRAを辞めたい時に考えるキャリアについてまとめています。
モニターが使う転職エージェントで個人的におすすめしたいのがJAC Recruitmentです。
モニター経験が生かせる思いがけない案件の紹介もあり、CROや臨床開発職にしばられず転職活動の幅が広がりました。
臨床開発モニターの離職率は高い
臨床開発モニター(Crinical Resarch Associates; CRA)は医薬品を世の中に出すという段階に関わるとてもやりがいのある仕事です。
しかしその業務のハードさから「辞めたい」と思う人も少なくありません。
実際にCRO(開発受託機関)各社では毎月退職者が出ているのが現状です。
離職率は高いが需要も高い
では、その辞めたモニター(CRA)の人たちは、転職後どのような仕事をしているのでしょう?
実際のところ、モニターを辞めてもまた別のCROで再びモニターとして働くことがかなり多いです。
というのも、一度臨床開発モニターを経験すると、他社のCROで同じようにCRAとして働くのは比較的簡単です。
どこの会社も人材不足で常に人を採りたがっています。特に即戦力になる経験者の中途採用の需要は高いです。
リモートモニタリングやサンプリングモニタリングの導入などによって今後状況は変わってくる可能性はありますが、モニター(CRA)として働くのであれば転職先に困ることはないでしょう。
職種を変えるのはハードルが高め
しかし、臨床開発モニターから別の職種に転職しようとすると一気にハードルが上がります。
転職を考えるのが第二新卒ならまだしも、30歳を過ぎて未経験で別の職種に転向するのは少し覚悟がいります。
そして何より給与面。
臨床開発モニターの年収はぶっちゃけ他の職種と比べると高めです。他の職種を考えたときに、給料が下がりがちなこともハードルになります。
臨床開発モニターとして数年経験を積んで再び別の会社で臨床開発モニターをする場合、通常はそこそこのお給料アップが見込めます。
(私は2年半の経験で他のCROに転職し、年収が100万上がりました。)
こうして「給料が高くなるなら…」と再びモニター職の転職先を探すのはよくあることです。
臨床開発モニターが職種変更しやすい仕事
臨床開発モニターが臨床開発モニター以外の仕事に就くとすれば、比較的就きやすい職業としては次のような仕事があります。
- 臨床研究モニター
- 品質管理担当者(QC)
- メディカルライター(MW)
- ファーマコビジランス担当者(PV)
- データマネジメント担当者(DM)
モニター経験者なら聞いたことがあるお仕事だと思います。
いやいやもうCRO業界はいいよ!という方は読み飛ばしてこちらに進んでください。
それぞれの業務については以下のような内容です。
臨床研究モニター
特定臨床研究の制度ができたことにより、大学病院などでの臨床研究が数多く行われるようになってきました。
臨床研究に携わるモニターの業務内容はCRAとあまり変わりませんが、治療法の確立などより臨床現場に近い内容となります。
試験の立案から関われることも多く、最近需要が増えている職種です。
品質管理担当者(QC)
QC担当者は、第三者的に治験の品質が確保されているか確認する役割を担います。
臨床開発における基準や治験実施計画書に則り治験が実施されているかどうかの確認、治験関連文書の内容の確認、SOPの作成・改訂など、その業務は多岐に渡ります。
治験でやり取りされる文書・記録のファイリングや管理、治験薬の管理などを行うこともあります。
メディカルライター
臨床試験や治験に関連する文書を作成するお仕事です。
具体的には、実施計画書や総括報告書(治験の結果をまとめた文書)の作成から、患者さん向けの同意説明文書の作成、薬事承認取得に必要な申請書類の作成など、多岐に渡る文書の作成を行います。
近年では国際共同治験が増え、プロトコル翻訳や英語での報告書作成などで英語力が求められます(TOEIC800点以上など)。
ファーマコビジランス担当者(PV)
PVでは収集された医薬品の安全性情報を評価し、必要に応じて規制当局へ報告します。
収集した安全性情報のとりまとめ、データベース化もPVで行います。
医薬品の安全性に関し対策が必要と判断された場合には、添付文書の改訂や医療関係者への情報提供のための資材作成を行います。
国際共同治験の受託増加に伴い、こちらも英語力を求める企業が増えています。
データマネジメント担当者(DM)
新薬の申請において正確なデータを届けるお仕事です。
臨床開発モニターが収集した医療機関のデータをクリーニングし、解析に回します。
疑義があれば問い合わせとしてクエリを発行します。
データを扱うきめ細やかさだけでなくITのスキルも求められます。
ただ、どの職種も中途・未経験での採用は少なく、高い英語力を求められるなどなかなかの狭き門と言えます。
CRO業界以外のCRA経験が生かせる仕事
CRO業界以外では、「被験者募集事業」「ヘルスケア事業」を行っている企業で経験を生かせます。
私は転職エージェントからの紹介でそのような仕事を知りました。数は多くありませんが、臨床開発の経験を活かし新しい分野に挑戦できます。
その他、WEBマーケティングを行うWEBマーケターもCRAの洞察力や情報処理能力が生かせるためおすすめです。
WEBマーケティングとは、アプリやWebサイト、SNSなど、インターネット上のあらゆるものを活用し、アクセス数やユーザー動向、画面の滞在時間などのデータを参考にし、商品やサービスへの購入または利用を促すことです。
WEBマーケターはこれらのデータからどうしたら効果が最大化されるかを企画立案し、PDCAを回していきます。
被験者の組み入れをどのように早く達成するかの策を練ることに少し近いですね。
業界大手のDMMで無料カウンセリングを行っているので、気になる方はお話を伺ってみるとよいでしょう。
臨床開発モニターの次のキャリアは狭くも広くもある
一度臨床開発モニターになると、転職のしやすさ・給与がアップすることから次も臨床開発モニターになる方が多いです。
ただ、どうしてももうモニター(CRA)はやりたくない…という方もいらっしゃると思います。
そんなときは思い切って別の職種へアプローチするのもありだと思います。
よほどのことがなければ、一度辞めてもまたどこかの会社のモニターにはいつでも戻れます。
一度他の職種へ目を向けることで新しい自分を見出してみるのも一つの転機になりますよ。CRAで培ったマネジメント能力は他の仕事でもアピールポイントになります。
特に英語力は付けておいて損はないので、オンライン英会話を受けたり、思い切って海外留学をしてみるのも今後のキャリア形成の力になります。
使った転職サイトや役立つツール
リクルートエージェント
・安定の大手転職サービス
・非公開求人も多い
・対応が早い
JAC Recruitment
・案件ごとに担当者がいるので企業事情に詳しい
・面接のアドバイスが充実
・思いがけない案件の提案がありモニター職以外にも目を向けられる
dodaエージェントサービス
・案件が業界最大級
・転職者の満足度No.1
・年収高めの案件
私はCRO→CROへの転職の際は、紹介の速さと段取りの良さでリクルートエージェントさんで転職が決まりました。
通常の業務をこなしながら転職活動をしていたので、エージェントにスケジュール調整を任せることができるのはとても助かりました。
薬剤師資格や看護師資格を持っている方なら「ジョブデポ薬剤師」「ジョブデポ看護師」で医療業界の転職先を幅広く探せます(転職祝い金あり)。
最近新しくできたサービスとして「MIIDAS(ミイダス)」というサービスがあり、これは自分の市場価値を調べるツールとして使えるので、希望の年収を提示するときに役立ちます。
これまで知らなかった転職先に出会えるかどうかは担当するエージェントの能力次第なので、「どの転職サイトを使うか」よりも「どのエージェントに頼るか」を重視して検討するのが転職の成功につながると経験から感じました。
転職を考えるならぜひいろいろなエージェントさんに相談してみてください。