医療の豆知識

緊急事態宣言とは?新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条

2020年4月7日、内閣府より「緊急事態宣言」が行われました。

そもそもこの緊急事態宣言とは何なのか?

この記事では、緊急事態宣言がどのような方に基づいて行われるのかをまとめています。

新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条

「緊急事態宣言」は新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項に基づく宣言です。

第三十二条 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。以下この章において同じ。)が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態(以下「新型インフルエンザ等緊急事態」という。)が発生したと認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示(第五項及び第三十四条第一項において「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」という。)をし、並びにその旨及び当該事項を国会に報告するものとする。
一 新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施すべき期間
二 新型インフルエンザ等緊急事態措置(第四十六条の規定による措置を除く。)を実施すべき区域
三 新型インフルエンザ等緊急事態の概要
2 前項第一号に掲げる期間は、二年を超えてはならない。
3 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等のまん延の状況並びに国民生活及び国民経済の状況を勘案して第一項第一号に掲げる期間を延長し、又は同項第二号に掲げる区域を変更することが必要であると認めるときは、当該期間を延長する旨又は当該区域を変更する旨の公示をし、及びこれを国会に報告するものとする。
4 前項の規定により延長する期間は、一年を超えてはならない。
5 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等緊急事態宣言をした後、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに、新型インフルエンザ等緊急事態解除宣言(新型インフルエンザ等緊急事態が終了した旨の公示をいう。)をし、及び国会に報告するものとする。
6 政府対策本部長は、第一項又は第三項の公示をしたときは、基本的対処方針を変更し、第十八条第二項第三号に掲げる事項として当該公示の後に必要とされる新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に関する重要な事項を定めなければならない。
(政府対策本部長及び都道府県対策本部長の指示)

新型インフルエンザ等対策特別措置法については「e-Gov」で全文を読むことができます。

私たちに求められていることは第45条に

その中で、多くの一般市民に求められることは第45条「感染を防止するための協力要請等」に述べられています。

第四十五条 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。
2 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設(通所又は短期間の入所により利用されるものに限る。)、興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定する興行場をいう。)その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項において「施設管理者等」という。)に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。
3 施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため特に必要があると認めるときに限り、当該施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを指示することができる。
4 特定都道府県知事は、第二項の規定による要請又は前項の規定による指示をしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。

外出自粛の要請が出された際には、家に居られる方は極力外出を控えることが求められます。

感染症が蔓延している状況においては、最前線で国を守ってくれている医療機関の方々のため、社会インフラを維持してくれているのため、そして自分と周りの人々を守るために、外出しないことも大切な行動です。

しかし外出自粛・施設の使用制限の要請は経済活動を著しく低下させることから、経済活動とのバランスを見極めることが非常に難しい問題です
自粛要請解除後は「どの程度まで許容できるのか」を調整しながら経済活動を再開させていくことになるでしょう。

よく耳にする「SPO2」って?

新型コロナウイルス肺炎に関する情報でよく耳にする「SPO2(エスピーオーツー):Saturation of Percutaneous Oxygen(経皮的酸素飽和度)」。

これは抹消血液にどのくらい酸素が行きわたっているかを判断するもので、酸素と結合しているヘモグロビンの量を示します。

肺炎になると肺機能が低下し、SPO2の値が下がります。
COVID-19肺炎の軽症と中等症の判断のひとつとしても使われる数値です。

これはパルスオキシメーターで測定し、侵襲性もなく家庭でも測定することができます。1万円以下で購入できるため自宅に1台持っておくと安心かもしれません。

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医療関係の業界で転職しつつ働くこと9年以上。 医療・製薬系のお仕事や治験についての情報を発信しています。
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