医療の豆知識

新型コロナワクチン3社の違いまとめ|ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ

いよいよ接種が始まる新型コロナワクチン。

日本への輸入が正式に決まっているファイザー、モデルナ、アストラゼネカの3社ワクチンの違いについてまとめました。

参考:新型コロナワクチンについて(厚生労働省)

ワクチンの仕組みの違い

まず、それぞれのワクチンの違いについてです。

ファイザー mRNA
モデルナ mRNA
アストラゼネカ ウイルスベクターワクチン

いずれも人の体の中でウイルスのタンパク質(抗原)を合成させることで抗体を作るよう働きかけますが、もう少し詳しく以下に説明します。

mRNAワクチンとは?

mRNAワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)では、ウイルスのmRNAを人に投与することで、人の体の中でウイルスのタンパク質(抗原)が合成されます。

その抗原を体の免疫細胞などが認識することで、抗体が作られるようになります。

人の体内ではDNAを鋳型としてRNAが合成されますが、RNA→DNAの合成(逆転写)は起きません。

そのため、使われないmRNAは分解されます。

ウイルスベクターワクチンとは?

ウイルスバスターワクチンでは、アデノウイルスやセンダイウイルスなど体の中で増えることができないウイルスを使います。

その入れ物としてだけの役割をもつウイルスに、コロナウイルスの遺伝情報のうち、抗体が認識する部位(抗原タンパク)を作る遺伝情報を載せて注射などで投与します。

すると、人の体の中でその抗原部位が合成され、抗体が作られるようになります。

入れ物だけのアデノウイルスやセンダイウイルスは分解されます。

保存温度の違い

次に、保存温度の違いです。

ファイザー -80℃(-70℃前後)
モデルナ -20℃
アストラゼネカ 2~8℃

ニュースなどでも取り上げられているように、ファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチンは超低温保存が必要です。

その理由は、2社の製造しているmRNAワクチンの不安定な性質にあります。

mRNAはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)の4塩基で構成され、これらが3つ並ぶ(codon:コドン)ことでアミノ酸がコードされます。このアミノ酸が結合してタンパク質が合成されます。

このmRNAの配列をきちんと保ったまま存在させるためには、超低温での保管が必要なのです。

一方、ウイルスベクターではウイルスの入れ物に組み入れているため、2~8℃の冷蔵保存が可能です。



新型コロナワクチンの安全性について

ワクチンの安全性について、厚生労働省の回答は以下の通りです。

現在、開発中の新型コロナウイルス感染症のワクチンの副反応については国内外の臨床試験等でどのようなものが起こりうるか確認されているところです。
臨床試験では、有効性・安全性等に関するデータを収集するため、健康な方や患者さんに協力してもらい、開発中のワクチンを実際にヒトに投与して試験します。
その後、臨床試験の結果などに基づいて、ワクチンの有効性・安全性、品質についての審査が行われ、ワクチンが承認されます。
また、ワクチンの接種が開始された場合には、副反応を疑う事例を収集し、専門家による評価を行います。こうした結果を公表するなどして、安全性に関する情報提供などを行なっていきます。

(2021年2月2日時点の情報)

おそらく、厚労省の回答は皆さんが知りたい内容とは少しずれているのではないでしょうか。

確かに現状で言えることは上記の通りですが、医薬品の臨床開発に関わってきた人間からすると、「どのワクチンも安全性に違いはない」と思います。

最新の情報は厚生労働省「新型コロナワクチンについて」を参照ください。



費用について

新型コロナワクチンの接種費用はいずれも無料(公費負担)です。

医療従事者、高齢者、基礎疾患がある方など、リスクが高い方からの投与が計画されています。

なお、それぞれのワクチンの価格を参考までに以下に記載します。

ファイザー $40以下(※)/回
モデルナ $25~37(※)/回
アストラゼネカ 約€1.3(※)/回

※2021年2月2日調査時

mRNAワクチンは高価なことが分かります。

ワクチンの接種回数はいずれも2回、筋肉注射です。

国内で開発しているワクチンは?

開発中の国産ワクチンの展望については、実際に使えるようになるまで1年程かかると見込んでいます。

開発しているワクチンは、海外と同様mRNAの技術やウイルスベクターを利用したワクチンが開発されています。

ワクチンの「国家検定」

また、ワクチンは製造販売会社が行う「自家検定」と、国の専門機関が行う「国家検定」と呼ばれる検査があります。
国家検定では自家検定で行われる検査の中でさらに定められた項目を検査するのですが、その期間は通常60日~120日かかります。

早急な対応が必要とされるこの状況下においては、国家検定を簡略化もしくは省略して接種が行われる可能性が高いです。

ただ、国家検定が行われなくとも、製剤の有効性・安全性が保たれる状態で輸入することで、品質に問題は生じないと考えられます。

ワクチンについてもっと知りたい方は、日本ワクチン産業協会の「ワクチンの基礎」を読まれてみてください。

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