治験審査委員会(IRB)とは
「治験審査委員会(ちけんしんさいいんかい)」は医療機関が設置、もしくは契約した第3者から成る委員会です。
医療機関で治験を実施するためには必ず治験審査委員会の承認を受ける必要があります。
治験審査委員会はIRB(Institutional Review Board)と呼ばれ、海外で治験を行う際にも同様にIRBの審査が行われています。
IRBの委員は実施する治験に関わらないメンバーで構成され、治験の実施について審議し、公正に評価します。
IRBの審議は治験を医療機関で実施してよいかを審議する「初回審査」と、その後の継続に問題ないかを審議する「継続審査」があります。
治験実施中は通常、毎月もしくは2ヶ月ごとにIRBが開催されます。
治験を実施している医師が委員になることもありますが、自身が担当している治験の審議・採決には関与できない決まりがあります。
IRBでの審査について
IRBでは数多くの臨床試験について審査を行います。
IRBの審議資料(治験を審査するための資料)は事前にIRB委員に配布されます。
IRBの審議資料には次のようなものが含まれます。
- 治験実施計画書:治験の実施方法や設定根拠、解析方法が書かれた文書
- 治験薬概要書:治験薬について作用機序や安全性、過去の試験結果が書かれた文書
- 同意説明文書:患者さんが治験に参加する前に読む説明文書と同意書
- 費用に関する資料
- 補償に関する資料
- 治験参加カード:他の医療機関を受診した際に治験に参加していることを提示するカード
このほかにもそれぞれの医療機関ごとに審査することが定められた文書もあります。
初回審査は特に厳格に行われ、承認を得られた治験のみが医療機関で実施できます。
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